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断熱材施工チェック


今回は前回触れた断熱材の施工不良について、まだ状況が素人判断でしかないのでとりあえず何が気になるかだけを淡々と書きたいと思います。

FLIR One

さて、タマホームに限らず、断熱材の施工不良は注文建売問わず戸建住宅を手に入れる上でどうしても気になる点だと思います。とはいえ、特にボードが貼られてしまうとなかなかチェックできませんし、修正も難しくなります。仮にボードが貼られる前でも、特にグラスウールの施工については素人ではなかなか判断が難しいところです。

そこで、極力楽に、かつ客観的に判断できるものとして、iPhone に接続して使えるサーモグラフィ機器FLIR ONE for iOS を投入しました。

FLIR One

FLIR ONE for iOS のいいところは、可視光線と赤外線をミックスして、うまく輪郭を残したままサーモグラフィにしてくれるところ。記録としてはこちらの方があとから確認しやすくなります。これが 3 万少々で入手できるのであれば安いものだと思います。

今回は時間の都合もあり、特に断熱施工に気をつけたい両親の居室だけをチェックしました。残りは日曜夜に担当営業氏と確認できればと思っています。

問題なさそうな箇所

まずは問題なさそうなところで、断熱材をカットせずに入れているところはこんな感じで柱の隅まで断熱材が熱を持っているため、熱を持っていることを示す赤から黄色に着色されていることが分かります。逆に柱は断熱材が施工されていないために熱が逃げるポイントになっていて、温度が下がっていることを示す青い色になっています。

正しい施工例

外断熱ではないので、柱から熱損失があるのは仕様の範囲内になります。

問題がありそうな箇所

施工不良に見えるポイントは主に縦滑り窓の周りと掃き出し窓の上部分、つまり断熱材をカットした上で詰めている箇所になります。

縦滑り窓

縦滑り窓周辺

縦滑り窓の横側は、ぱっと見で断熱材が充填されていないように見えます。これを FLIR One で見ると……

縦滑り窓周辺
縦滑り窓周辺(2)

もしかしたら断熱材が奥に行っているだけかも知れませんが、断熱材がほとんど入っておらず、ほとんど熱損失しているようにも見えます。

掃き出し窓

次にこの横にある掃き出し窓の上側が気になりました。ここは断熱材をカットして詰めているため、同様に施工不良の可能性があり得ます。

掃き出し窓上側

ただ、太めの梁があるため、梁の熱損失を見間違えないように気をつける必要があります。ここをサーモグラフィにしてみると、

掃き出し窓上側

ちょっと判断が難しいところですね。FLIR ONE for iOSリアルタイムにレンジ調整できないこともあり、これだけだと左上の抜けが断熱材の抜けなのか反応するほど暖められていないだけなのかの判断が難しいところです。

なお、上の赤い部分は天井、下の赤い枠は窓です。窓の右側にはフローリング部材が立てかけられているために青くなっています。

縦滑り窓その 2

最後にもう一つある縦滑り窓を確認しました。

縦滑り窓2

ここはスイッチボックスが施工されていることもあり、スイッチボックスでグラスウールが押されているのかそもそも入っていないのか分かりづらい箇所です。

ここを同じようにサーモグラフィにしてみると、

縦滑り窓その2(1)
縦滑り窓その2(2)

スイッチボックスのある右側よりも窓の左側と上側の断熱材の施工状況が気になります。いずれにしても、その両隣にある正しく施工されたものと比べれば温度が下がっているので、断熱性能という意味では差があるのは間違いありません。

レンジ調整

FLIR ONE for iOS の場合、実はすべてのピクセルの温度が記録されており、App Store からダウンロードできる FLIR Tools を使うことで、撮影した画像内のすべてのピクセルの温度の確認レンジ調整指定した枠内の最大・最低・平均温度を出すことができます。

今回、温度分布などから断熱材が正しく施工されていると思われる部分を比較対象とし、この部分の最大・最小温度がカバーできるようにレンジ調整してみました。ただし、FLIR Tools の場合、最大〜最小温度が 2 ℃以上になる必要がありますので、場合によってはちょっとずれている可能性があります。

縦滑り窓その 1

縦滑り窓その 1 の場合はこちら。

レンジ調整済1

エリア 3, 4 が施工不良を疑う箇所ですが、熱を持つ部分が不定形になっている上に最小温度もエリア 1, 2 と比べると 1 ℃下がっています。ただし、FLIR Tools の制限で余り小さな領域指定ができないために柱部分も選択されているので注意が必要です。

また、窓の上下についても同様に不定型になっているため、ここも怪しいですね。

掃き出し窓

同じようにレンジ調整した掃き出し窓上部分はこちらになります。

レンジ調整済2

エリア 1 上側は正しく施工されているのか直線になっていますが、両端は不定形になっています。下側はすべて不定形にはなっていますが、日射との関係もあるのでなんとも言いづらいところです。

縦滑り窓その 2

レンジ調整済3

やはり、窓の周囲すべてについてエリア 4 上側を除き断熱材が不定形になっている上に、温度が低めになっているのが気になります。

防湿層の破損

ここまでは「不良のおそれがある」程度ですが、1 箇所確実に不良な箇所がありました。

防湿層の破れ

防湿層が破れていました。グラスウールは湿気に弱いため、防湿層の破れは大きな問題です。これについては再施工を依頼するしかないですね。

まとめ

このやり方の欠点を強いて挙げるとすれば、FLIR ONE for iOS ではよく言えば「いい感じにレンジ調整してくれる」ので、手動でレンジ調整した上で固定することはできません。後から FLIR Tools でレンジ調整する必要があり、これが意外に面倒くさいと思います。

とはいえ、これで不良を疑う箇所をエビデンスを残す形で確認できるのは相当効果的です。なんといっても、画像を元に調査をお願いできるので……

(続編はこちら, 続々編はこちら)

damecoder

2 Comments

  1. 断熱材の施工、重要ですよね!
    防湿層の破れ箇所は指摘しなくても直してくれてたでしょうか?
    我が家も数ヶ所破れがありましたがそのまま石膏ボードが施工されていないか心配になってきました。

    • コメントありがとうございます!

      うちの場合は工期短縮を頼んでいたこともあり、スルーされると辛いのでさっさと自分で修理してしまいました。

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